奈良市西笹鉾町
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鎌指(かまゆび)

 

足指の曲がっている人が珍しくありません。根元で反りあがり、第二関節から下へ落ちています。女性に多い。 こんな指で大丈夫なのでしょうか。

蛙と遊ぶ仙人(永源寺)

指の関節にズレ

「鎌指」 を辞書で調べても出てきません。足の指が第3関節(付け根の関節)で上に上がり、 第2関節(指の先から2番目の関節)で下がっている指です。全体として草刈鎌(くさかりがま)のような形になっているので、 私はそう呼んでいます。あるいはカマキリの斧(おの)の形になっているといってもいいでしょう。 英語では 「ハンマー・トウ」 hammer toe というようですが、ハンマーではピンときません。それで 「鎌指」 というわけです。 こういう足指の形になっている人が非常に多い。特に女性に多いように思います。 力が入りませんから、指が浮いたまま歩いているに違いない。

なぜこんな形になるのでしょうか。はっきりした原因はわかりません。ただ、 スリッパまたはスリッパ状の履物を常用している人に多いと感じられます。指に力が入らないけれど、 なんとかスリッパを押さえないと歩けませんから、先が無理に下へ向いているのでしょう。

羅漢(永源寺)

圧痛がある

鎌指の状態になった足指を引っ張って見たり、つまんで見たりすると、どこかに痛みを訴えます。触らなければ痛まず、 皮膚に圧をかけた時だけ痛むので 「圧痛」 と呼ばれる種類の痛みです。本人も痛いところがたくさんあることに気づきません。 たいていの原因は関節のズレで、関節が上下いずれかの方向へわずかにズレています。 中には斜めにズレていることがあるかもしれません。

足指は小さいのでなかなか難しいですけれど、丹念に一つ一つの関節を押さえていくと、どこにズレがあるかが分かって来るでしょう。 それを 「反動法」 を使って整えて行けば、色々と思わぬ効果の出ることがあります。足指には経絡(けいらく)の末端がありますし、 足を動かしている筋肉は膝(ひざ)あたりまで続いていますから、膝にも影響があります。 また腰椎ともつながっていることが知られています。

関節を整える

「反動法」 とは何かを説明しておきましょう。小さな関節の周辺が痛い時、その関節のズレている場合が少なくありません。 例えば手の平が痛いという訴えがある場合、まず疑うのは、手の小さな骨がズレていることです。このズレをどうして直せばいいか。 痛みがある時は、そちら側に骨がズレています。ですから、痛みがない反対側(この場合は手の甲側)をぐっと押さえ、 パッと離すことを2〜3度も繰り返すとズレが修正されて圧痛が消えます。これは身体が、 力に逆らう習性を持っているからです。修正したい方向と反対側に動かすので 「反動法」 というわけです。

この 「反動法」 を足指に一つ一つ使って行きます。すると指の痛みがどんどんと消えて、 曲がっていた指がある程度まっすぐになって来るのが分かるでしょう。とは言え、古い歪みがある場合は、 簡単に直らないこともあります。関節周辺の組織に変化が起きてしまっている場合でしょう。

小菊

思わぬ効果も

足指の痛みが消えて行きますと、それだけで首の痛みが消えたり、耳の聞こえにくいのが直ったりという効果が出ることがあります。 その他にも、知らず知らずのうちに、からだのあちこちに良い影響が出てくるはずです。 冷えが改善するような効果が出る場合もあると思います。

無理な靴を履いたり、全然歩かなかったりという生活をしていると、鎌指状態になって、 からだに見えない負担がかかっていることがありうるということですね。鎌指まで行かなくても、 指が上に反(そ)り上がっている 「反り指(そりゆび)」 になっている人も程度が低いだけで、同じです。

さて、以上の説明で分かりにくければ、「からだほぐし教室」 にお出かけになって、鎌指について質問してください。 やり方を指南させていただきます。昨日の教室では、鎌指の修正にみなさんで取り組みました。

(08.11 初出)
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