クルマの問題点

クルマと整体がどこでつながるのか、といぶかしく思われる方もいらっしゃるでしょう。ところが、ここには深い関係があるらしい。

歩かないと股関節が硬くなる

onmatsuri
奈良の祭り「おん祭り」

「らしい」というのは、まだ私の仮説に過ぎないからです。「歩かないと股関節が硬くなる」。この仮説の反証を真剣に探そうと思っています。どんな反証もなければ、この仮説の正しさが少しずつ証明されて行くでしょう。仮説のうえに仮説を重ねると、とんでもない方向に行ってしまう可能性があります。天動説がそうでした。こうしたことは避けなければなりません。

それに気づかずに堂々と、自分の言っていることは正しいと真顔で話をする人があります。例えば「化学調味料が腰痛の原因だ」という説は正しいかもしれません。しかし正しくないかもしれません。どうやって証明するかが難しい。ですから、私はこの手の話、つまり証明できないか証明が非常に難しい話は、話半分に聞いておくことにしています。皆さんも、これから私が書くことを話半分に読んでいただきたい。

膝と股関節の項に書きましたが、「クルマを利用すればするほど股関節が硬くなるのではないか」というのが第一の仮説です。別の言い方をすると、歩かなくなればなるほど股関節が硬くなる、ということです。これを実証しようとすると、かなり大規模な調査が必要でしょうから、今のところ難しい課題です。けれど整体の目的で"朱鯨亭"を訪れる人たちを見ていると、どうもこの仮説が正しいと思わないわけに行きません。股関節が硬いと全身が硬くなりますから、クルマに乗ることで全身を硬くしている人が多い、と仮説を拡張することもできます。

もう歩けないほど硬くなっている人さえいます。このまま行くと、やがて人間は歩けなくなるのではないかと、心配しなければならないでしょう。

クルマの中は磁気状態が悪い

次はクルマの中の磁気状態が悪いのではないか、という点です。試しに方位磁針をクルマのそばに持っていけば分かりますけれど、地磁気の方向とはまったく別の方向に向いてしまいます。これはクルマの車体が鉄でできているから、というのとは関係がないように思います。車体から少し離して磁針をおいても、そのようになるからです。クルマに乗っているあいだは、私たちのからだが、おかしな磁気状態におかれていることになります。ですから第二の仮説は、クルマの中では身体が異常な磁場の中に置かれるということになります。

kyoto syokubutsuen
京都植物園

磁場といえば、磁気を使った治療器のようなものがありますけれど、あの手のものはどれだけ効果があるのか疑わしい。むしろ身体の磁場を狂わせることで逆効果を招き、深刻な影響を与えているのではないかと思います。考えられることは、異常な磁場の中にからだが置かれると、身体の組織が硬くなるのではないか、ということです。しかしこれを詳しく調べた研究は読んだことがありません。

クルマに乗ると、食べ物に気をつけても帳消し

第三の仮説は、クルマの中の化学物質です。私はクルマを運転しませんので、たまにクルマに乗せてもらうと、中の臭いが非常に気になります。必ず人工化学物質の臭いを感じます。何しろクルマの内部は人工化学物質のかたまりといっていい状態ですから、これが身体にいいはずはありません。短時間ならまだしも、長時間乗っているとなると、どれだけの影響をこうむっているか分かりません。

食べ物に気を配っている人はたくさんいると思います。でもクルマに乗れば帳消しになること請け合い、といえば言い過ぎでしょうか。いくら無農薬の野菜を食べても、無添加の化粧品を使っても、クルマの中に長時間いたのではどうしようもない。どれだけの化学物質を吸い込んでいることでしょうか。ですから第三の仮説は、クルマ内部の化学物質がからだを歪ませるか、硬くしているというものです。もちろん、これらの仮説を証明するような研究を見たことがありません。あるのかもしれませんが、今まで目に触れた中にはありませんでした。ですからこれらは私の仮説にすぎませんが、正しいのではないかという思いがずっと続いています。反証があればお教えください。

( 2007. 10 改訂 )