内臓が元気を取り戻す

あなたの内臓は元気ですか。糖尿病があれば、すい臓の働きが落ちているでしょうし、低血圧なら、心臓の働きが衰えているに違いありません。整体で元気を取り戻しましょう。

原因をとりのぞく

病院へ行くとクスリが出されます。お医者さんの仕事はクスリを出すことといってもいいほどでしょう。たいていは、症状のおおもとにある原因を絶つのではなく、症状をおさえるクスリが出されます。血圧が高ければ血圧を下げるとか、痛みがあれば痛みを止める、腫瘍があれば腫瘍を小さくするというふうに。

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北条の五百羅漢

肩が痛くて注射をうってもらったとしましょう。注射をうって神経をまひさせても、痛みが出る原因はなくなっていません。注射をやめるとまた痛み出すことになります。肩が痛むのは主に肩の関節がずれているか、関節が硬くなっているからです。そこで肩のゆがみを整えてやれば、痛みの原因がなくなるわけですから、注射を打つ必要はありません。

慢性病で病院通いをつづける人が後を絶たないのは、原因を取り除かないからではないでしょうか。原因を取り除くことができれば、病いは自然に消えていくはずです。

「ホメオパシー」 と 「アロパシー」

ここで、ほんのしばらくカタカナ語におつきあいくださいませんか。「ホメオパシー」 homeopathy という治療法をお聞きになったことがあるでしょう。病いを持つ人に、その症状をさらに進ませる物質をごくわずかだけ与えます。そうすると、不思議なことに、症状が次第に治まってくるというものです。

いま医学の世界で広く行われている治療法は症状を押さえ込もうとするものですので、ホメオパシーとは反対の考え方をしています。そこで、現代医療はホメオパシーと反対の考え方であるとして、「アロパシー」 allopathy と呼ぶ人がいます。「アロ」は「違う」ことを表し、「ホメオ」は「同じ」ことを表すギリシャ語。日本で行われている医療のほとんどは「アロパシー」だといってもいいでしょう。まとめると次のようになりますね。

ホメオパシー 症状を強める物質を与える
アロパシー  症状を弱める物質を与える

rakan
内臓が温かくなった

おもしろいことに整体の考え方は「ホメオパシー」に近い。関節がずれているとして、これを強引に直そうとするのは「アロパシー」発想の整体です。確かにこういう整体もありますが、逆にずれを拡大する方向にわずかだけ動かしておいて、そのあと反動を利用してずれを取り除くほうがやりやすい。ですから整体は「ホメオパシー」の考え方に似たやり方をとっていることになります。

背骨が内臓の鍵をもつ

話をもどしましょう。内臓の働きが悪くなっているのは、そこへ行っている血管や神経がうまく働かないからです。背骨をどこか触ってみてください。人によってフワっとした感触の背骨と、カチカチの感触の背骨の人とがいるでしょう。骨が硬いのはあたりまえじゃ、と言われると確かにそのとおりですが、でもたくさんの人の背骨に手を触れていますと、硬さがまったく違うことに気づきます。

背骨が硬く感じられるのは、その骨の周りにある組織が硬くなっているからです。なぜ硬くなっているのでしょうか。簡単に言ってしまうと、ゆがみがあるからです。ある骨がわずかに左にずれると、そちら側の筋肉なり靱帯(じんたい)なりが押されて硬くなります。あるいは背骨の全体が彎曲していると、背骨と背骨をつないでいる組織が硬くなります。一つの骨とその隣の骨が硬くつながって、恐竜の背中のようになっている人はいませんか。どちらかの筋肉が盛り上がっていることさえありますね。

背骨の周りが柔らかくなると・・・

こうした時は、この骨を緩めて正しい位置にもどしてやる。そうすると、骨のまわりの硬さや痛みがとれていきます。どうしてゆがみをとればいいか分からなくてもかまいません。背骨のすぐそばに指をあてて数分間、なんだか緩んだなあ、と感じるまでじっと押えていればいいんです。ごきごきと骨を鳴らす必要はどこにもありません。

内臓が元気に働くには、背骨のまわりを柔らかくしておくことが何よりも大切。柔らかな背骨の持ち主は、ストレスを溜め込んでいない、幸せな人です。

( 2006. 11 初出 )